音楽への憧憬、古里の匂い 武蔵野美術大学教授・新見隆 (日本経済新聞)

専門は造形美術やデザイン、建築、その批評や評論で、展覧会の企画がさらに本業だ。だが、私は本当は美術より、音楽の方が好きなのかもしれない。日がな一日、聴いているのはクラシックだ。 戦後の地方の、庶民一般の家庭には必須なもの、それが百科事典と蓄音機だったのじゃなかろうか。古里の広島・尾道で母は小さな洋裁店を営んでいた。私は母とその2階の一室で育った。プロレタリアートの極小住宅にもそれはあった。 三種….

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